

ストレングスくん(10♂)
良くなったり
悪くなったりを繰り返す
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎




町野皮ふ科では、代表的な皮膚の病気、
アトピー性皮膚炎の治療に力を入れています。
アトピー性皮膚炎は、適切な治療と日々のスキンケアを続けることで、
落ち着いた状態に保ちながら日常生活を送ることが十分に可能な疾患です。
決して治らない難病ではありません。
これまで塗り薬だけではなかなか改善が難しかった方に対して、
生物学的製剤やJAK阻害薬といった全身療法に加え、
光線治療も積極的にご提案しています。
アトピー性皮膚炎の原因や症状、検査、治療、
そして当院で行っている光線治療についてご説明します。
こんなお悩みありませんか?

アトピー性
皮膚炎とは?
症状を繰り返すのは、
肌がデリケートだから
アトピー性皮膚炎の方は、生まれ持った肌がデリケートで刺激に弱い状態にあります。通常の肌であれば問題にならないような、汗や洋服がこすれるなどの刺激でも肌荒れにつながってしまいます。今ある肌荒れを塗り薬で良くしても、元々の肌が弱いので、次の刺激が加わるとまた荒れてしまうことがあります。良くなったり、悪くなったりを繰り返すのがアトピー性皮膚炎の特徴ですが、肌がデリケートであるためと考えると分かりやすいかもしれません。
早い段階でバリア機能を
整えることが大切
肌は良い状態を続けるとバリア機能が回復して強くなります。アトピー性皮膚炎は生まれつきの肌が原因となる病気なので、治らないと誤解されることがありますが、決してそのようなことはありません。日常生活に気をつけ、保湿剤で肌を守り、正しく薬を使って良い状態を続ければ、肌は強くなります。そうすれば、アトピー性皮膚炎を気にせず生活することは難しくありません。「アトピーは難病だから治らない」というのは誤りです。アトピー性皮膚炎は正しく対応すれば、ちゃんと良くなります。
かゆみが強いために掻き壊してしまうと、皮膚のバリア機能がさらに損なわれ、とびひ(伝染性膿痂疹)やカポジ水痘様発疹症などの感染症を合併することもあります。長期間炎症が続くと、皮膚が厚く硬くなる苔癬化(たいせんか)や色素沈着が残ることもあるので、早い段階で、適切な治療を始めることが大切です。
アトピー性皮膚炎は、
珍しい病気ではありません
アトピー性皮膚炎は、決して珍しい病気ではありません。厚生労働省の令和5年「患者調査」では、日本における総患者数は約160万人と報告されています。これはおよそ80人に1人にあたります。
お子さんの場合はさらに身近で、全国の小中学生を対象としたアレルギー実態調査では、小学生で7人に1人、中学生で10人に1人にアトピー性皮膚炎の症状があると報告されています。学校のクラスに数人はいる計算になりますので、ご家族やお知り合いの中にも同じ悩みを抱えている方がいらっしゃるような、身近な病気と言えます。
アトピー性
皮膚炎の原因
かゆみが引き起こされるしくみ
アトピー性皮膚炎を考えるうえで「肌がデリケート」の次にポイントになるのが、「かゆみ」です。弱い肌に刺激があると、表面よりやや内側の真皮という場所を中心に免疫の反応が起こります。免疫の役割はウイルスや細菌などから体を守ることですが、外からの刺激に対しても反応します。免疫の細胞たちはサイトカインと言われる物質を出して、反応を拡げていきます。その結果、かゆみが引き起こされるのです。
大切なのは、
「かゆみ」と
「異常な免疫反応」を止めること
かゆみが起こると、引っかいてしまいます。かいてしまうことで肌が傷つき、バリアの機能がさらに弱くなります。また、かくことの刺激で免疫反応が起こり、さらにかゆみが生じます。そしてまたかゆいので引っかき……の悪循環になることで症状が悪くなり、範囲も拡がっていきます。この「かゆみ」や「異常な免疫の反応」を止めることが、アトピー性皮膚炎の治療ではとても大切です。
発症には、皮膚のバリア機能の弱さ、アレルギー反応・免疫の過剰反応、乾燥や汗の刺激、睡眠不足やストレスなどの環境要因が、複雑に関わっていると考えられています。
アトピー性
皮膚炎の症状
赤み(紅斑)、ぶつぶつ(丘疹)、皮むけ(落屑)、強いかゆみが、左右対称に現れることが多いのがアトピー性皮膚炎の特徴です。
年齢によって出やすい部位が変わり、乳児期は顔や頭、幼小児期は首まわりやひじの内側・ひざの裏などの関節部、思春期以降は顔・首・上半身を中心に全身に広がる傾向があります。
一人一人顔が違うように、一人一人肌も違います。見た目では分かりにくいかもしれませんが、乾燥しやすさや刺激への弱さは人によって様々です。肌がとても弱い人もいれば、少し弱い人もいます。そのため、どの程度の症状からアトピー性皮膚炎とするか決めづらいことがあります。症状も時期によって変化するので、診る人によってアトピー性皮膚炎と言われたり、違うと言われたりすることがあるかもしれません。診断基準で考えるよりも、「アトピー性皮膚炎は肌がデリケート」なイメージで考えるとアトピー性皮膚炎をより理解しやすいと思います。
症状が落ち着いているときも、
計画的なスキンケアを
アトピー性皮膚炎は完全に「完治」させることは難しくても、治療によって症状が全くない、あるいはあっても日常生活に支障がない状態(寛解状態)を維持することは十分に可能です。ただ、症状が落ち着いたと思って、自己判断で治療を中断してしまうと、皮膚の中に残っていた見えない炎症からまたぶり返してしまうことがあります。
当院では、症状が落ち着いた後も、状態に合わせて塗り薬とスキンケアを計画的に続けるプロアクティブ療法(計画的なスキンケアと外用薬の継続)をお勧めし、再燃の予防に努めています。
アトピー性
皮膚炎の検査
治療を進めるうえで、現在の炎症の強さや、悪化の引き金となっている要因を把握することが役に立ちます。当院では必要に応じて以下の検査を行っています。
( 血液検査 )
ダニや花粉など、特定のアレルゲンに対するIgE抗体を調べる特異的IgE検査のほか、アトピー性皮膚炎の活動性を反映するTARC(ターク)の測定を行います。TARCは見た目だけでは把握しづらい皮膚の炎症の程度を数値として捉えられるので、治療効果の判定にも役立ちます。また、肝機能や腎機能の確認、好酸球の数値なども併せて調べることがあります。
アトピー性皮膚炎が食べ物で悪くなることは少ないので、食べ物について初診から採血でアレルゲンを調べることは多くありません。ただ、動物や花粉などで悪化することはあるので、疑われる場合は採血をします。
( パッチテスト )
アトピー性皮膚炎の方は、接触皮膚炎(いわゆる、かぶれ)が症状をさらに悪化させていることがあります。シャンプーやボディソープ、洗顔フォームや美容クリーム、食器用洗剤、ゴムや金属などが悪化の原因となることがあります。
これらの影響を調べるために、実際の製品を持参いただき、背中に貼って反応を見るパッチテストを行うことがあります。その際には日本人がかぶれやすい素材がセットになったパネルも一緒に貼ります。アトピー性皮膚炎と長年思われていた方が、実は接触皮膚炎がメインの症状で、原因となるものを避けて短期間のうちに驚くほど良くなることがあります。
思い当たることがある方は、受診の際にお伝えください。
アトピー性
皮膚炎の治療
アトピー性皮膚炎における治療のポイントは、以下の3つです。
- 肌の状態やかゆみを良くするための適切な治療
- デリケートな肌を考えた日常生活
- 悪化させる原因を見つけ、避けること
適切な種類の塗り薬を、
必要な量使うことが大切です
アトピー性皮膚炎ではデリケートで乾燥しやすい肌を刺激から守るために、保湿剤を使います。ただ、肌荒れの炎症を抑えるためには、保湿剤だけでは良くなりません。適切なランクのステロイドの塗り薬を、必要な量使うことが大切です。アトピー性皮膚炎が良くならない時に、ステロイドの塗り薬の量が少なすぎることが原因のことがあります。患者さんのイメージしている量は少ない場合が多いです。どの程度の量を使えば良いのか、受診の際にお伝えします。
( ステロイドの使い方 )
塗り薬の使い方は、燃えている火を消す時の水のかけ方に例えることができます。ボウボウと燃えている火を消す時に、コップで少し水をかけても火の勢いは変わりません。まずはバケツなどで充分な水をザバッとかけて、火の勢いが弱くなってきたら、かける水の量を減らすと思います。アトピー性皮膚炎の炎症も火と同じです。最初はしっかりした量の塗り薬を使って、症状が良くなってきたら塗り薬の量を減らしていきます。
( ステロイド以外の塗り薬の選択肢 )
近年ではタクロリムス軟膏(プロトピック)、デルゴシチニブ軟膏(コレクチム)、ジファミラスト軟膏(モイゼルト)、タピナロフクリーム(ブイタマー)といった、ステロイドとは異なる仕組みで炎症を抑える塗り薬も使えるようになっています。顔やまぶたなど、ステロイドを長く使いにくい場所に向いていたり、お子さんにも使いやすかったりと、それぞれに特徴があります。患者さんの症状や部位に合わせて使い分けていきます。
町野皮ふ科の
光線治療
光線治療の選択肢( Options )
全身の広い範囲に広がったアトピーに
ナローバンドUVBが
向いているのは
こんな症状の方

背中や胸、手足など、全身の広い範囲に広がったアトピー性皮膚炎でお悩みの方に適した治療法がナローバンドUVBです。
ナローバンドUVBは、311nm付近の波長を用いる光線療法で、全身または広い範囲に一度に照射することができます。
アトピー性皮膚炎の症状が広範囲に及んでいる中等症から重症の方が対象になります。体の前面、後面の2回のみの照射となるため、シンプルな照射方法となり負担が少ないことも利点の一つです。
局所的な強いかゆみ
エキシマライトが
向いているのは
こんな症状の方

「局所的な強いかゆみがある」「ステロイドを使っていても、皮膚が分厚くゴワゴワしたままの場所がある」といったお悩みはありませんか。
エキシマライトは、308nmの波長の紫外線を、症状のある部位に絞って照射できる機器です。首や手足の一部、結節性痒疹(ポツポツとした硬いしこり状の皮疹)など、限られた範囲に頑固な症状が残っている方に向いています。
正常な皮膚への照射を最小限に抑えながら、症状のある部分にしっかり光を届けられる点が特徴です。
しつこい局所的な症状
エキシマレーザーが
向いているのは
こんな症状の方

他の光線治療やぬり薬を試してもなかなか改善しない、しつこい局所的な症状にお困りの方への選択肢です。
エキシマレーザーは、エキシマライトと同じ308nmの波長を使用しますが、レーザー技術によってさらに高い出力で局所に照射することができます。
長年のアトピー性皮膚炎で皮膚が厚く硬くなってしまった部位や治りの悪い爪周りなど、難治性の症状をお持ちの方に対する治療としてご提案しています。
光線治療では完結しない場合の、治療の選択肢
塗り薬や日常生活の工夫だけでは、なかなか症状が落ち着かない方もいます。以前はそうした方に対して打つ手が限られていましたが、ここ数年でアトピー性皮膚炎の治療は大きく変わりました。

〈生物学的製剤〉
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デュピクセント(デュピルマブ)やミチーガ(ネモリズマブ)といったお薬が代表的で、アトピー性皮膚炎で起こっている免疫の異常な反応のうち、特定の経路だけを抑える働きを持っています。
免疫全体を抑え込むのではなく、悪さをしている部分にピンポイントで効くので、これまでの治療で十分に良くならなかった方でも、症状が大きく改善することが少なくありません。

〈JAK阻害薬〉
リンヴォック、サイバインコ、オルミエントといったお薬があり、こちらもかゆみや炎症に関わる体の中のシグナルを抑えることで効果を発揮します。注射が苦手な方や、短期間でかゆみを抑えたい方の選択肢になります。
どちらの治療も専門的な知識と経験が必要です。当院では、3歳から81歳まで幅広い年齢の患者さんにこうした治療を行っており、お一人おひとりの症状やライフスタイルに合わせて、最適な治療をご提案しています。
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光線治療は健康保険が適用となります。
3割負担の場合の費用(お薬を出した場合の処方箋料などは別途)
・光線治療費:1,020円
・再診料:228円光線治療機器による違いはありません。また、照射する範囲が広くても狭くても一律です。
2割・1割負担の方や、その日に算定する項目によって金額は多少前後します。くわしい金額は、受付でお気軽にお尋ねください。
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治療を始めてしばらくは、週1、2回程度の通院が目安です。少なくとも月2回程度はあてないと、効果が出にくいことが多いです。症状が落ち着いてきたら、間隔をあけていくこともできます。お仕事やご都合に合わせて、無理なく続けられるペースを一緒に考えていきます。
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疾患や症状によって幅があります。かゆみは早い段階で和らぐことが多く、アトピー性皮膚炎では3〜4回、湿疹や掌蹠膿疱症は数回から10回ほど、乾癬は10回前後で効果を感じ始める方が多いです。尋常性白斑や円形脱毛症は個人差が大きく、効果の判定までに30回程度を目安とすることもあります。週1〜2回の照射を続けながら、効果をみて回数や間隔を調整していきます。根気のいる治療になります。
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間隔が空いてしまっても、治療を続けていただいて構いません。ただ、間隔が大きく空くと効果が出にくくなったり、久しぶりの照射でやや反応が出やすくなることがあります。間隔が空いた場合は、受付や診察でお伝えください。照射量を調整します。
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光線治療の施術時間は、機器や照射範囲によって異なります。
病変部にピンポイントに当てるエキシマライト・エキシマレーザーは、1か所あたり数秒から10数秒ほどの照射を行います。着替えや準備の時間を含めても、10分程度で終わることが多いです。
全身に広く当てることができるナローバンドUVB(ダブリン7)は、症状の範囲によって照射が数分ほどかかる場合がありますが、体の表側と裏側の原則2回のみの照射となるため、着替えや準備の時間を含めてもエキシマライト・エキシマレーザーと同様に10分程度で終わることが多いです。
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照射中はほとんど痛みを感じず、温かさを感じる程度です。照射後に軽い日焼けのような赤みやほてりが出ることがありますが、多くは一時的なものです。お一人おひとりの肌の反応を見ながら照射量を少しずつ調整していきますので、気になる症状があれば、その都度ご相談ください。
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光線治療は、副作用が比較的少ない治療として広く行われています。多くは赤みや乾燥、かゆみといった軽いもので、重い副作用はまれです。飲み薬や注射のように全身(内臓や免疫)に作用しないため、体への負担が少ないのも特長です。
皮膚がんについては、現在の光線治療(ナローバンドUVB・エキシマ光)を長期間受けた方で皮膚がんが増えるという結果は、これまでの研究では示されていません。ただし紫外線を用いる治療であることに変わりはないため、当院では毎回の照射量を記録・管理し、治療の必要がない部分は保護したうえで、必要最小限の照射で治療を進めています。過度にご心配いただく必要はありませんが、気になることがあれば診察時にお尋ねください。
アトピー性皮膚炎のお悩みは、
抱え込まずお早めにご相談ください。
アトピー性皮膚炎は、長くお付き合いしていく疾患だからこそ、患者さん一人ひとりの肌や生活に合わせた治療を、一緒に考えていくことを大切にしています。
ステロイドの使い方についてのご不安、日々のスキンケアのご質問、生物学的製剤やJAK阻害薬、光線治療のご相談など、どんな小さなことでも構いません。症状でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
(光線治療で治療を行う症例)
保険適用で
光線治療が可能です。
以下の疾患は保険が適用されます。その他の疾患でお悩みの方も、保険が適用になる場合がありますので、一度ご相談ください。
〈保険適用の場合の治療費〉
- 光線治療費
- 1,020円
- 再診料
- 228円
- 3割負担の料金です
- 処方箋料は別途発生いたします




